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情報通信研究機構では日本全国で電離層の定常観測を行っています。日本の南端に位置する沖縄電磁波技術センターの大宜味電波観測施設でも電離層観測を15分毎に行なっており、この観測データは電離圏世界資料センターC2が置かれている情報通信研究機構の小金井本部(東京都)に送っています。 |
Q.「電離層」って何ですか?
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A.電離層は太陽から地球にやってくる紫外線やX線によって大気中の原子や分子が電子とイオンに電離された、高度約70kmより上空の大気層のことで、短波帯(周波数3MHz〜30MHz)近辺の電波を反射する性質があります。短波帯の電波を使った海外通信や放送などは電離層の影響を受けるため、その状態を常に把握しておくことは重要です。 |
Q.電離層はどうやって調べるの?
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A.短波帯の電波でも周波数の違いによって電離層で反射されるものや電離層を突き抜けるものがあります。また、電離層で反射される電波でも周波数の違いによって反射する高度に違いがあることや、その周波数と高度の関係も常に変化しています。各周波数の電波が反射する高度は、周波数を変化させた電波を地上から上空に向けて発射し、電離層で反射されて戻ってきた電波の強さと遅れ時間から求めることができます。このような電離層観測データ(イオノグラムなど)は下記のホームページでも公表されており、常に日本各地の電離層の状態を知ることができます。
http://wdc.nict.go.jp/ISDJ/index.html
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Q.電離層観測はどこで行なっているの?
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A.我が国における電離層観測は、情報通信研究機構小金井本部をはじめ稚内電波観測施設、山川電波観測施設そして沖縄電磁波技術センターで15分毎に毎日行なっています。また,現在世界130カ所以上で同様の測定方法で観測が行われており、各地の観測データは電離圏世界資料センターに集約され、地球科学のための研究資料として研究者や一般の人々に活用されています。 |
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