電波ウォール
私たちは、電波を毎日使っています。では電波とはどんなものでしょうか? 目には見えない電波は、どのように空間を伝わっていくのでしょうか? この電波ウォールで電波の謎を解いてみましょう。
■ 電波とは 電波とは何でしょうか? 電波は目に見えませんが、私たちの身の回りの空間にあふれています。電波は光と同じ電磁波の一種です。電磁波は、電気の力の場である「電界」と、磁石の力の場である「磁界」が、お互いにエネルギーをやり取りしながら、空間を伝わっていく波です。電波は直進する性質があり、速度は毎秒30万キロメートル(km)です。これは1秒間に地球を7周半するスピードです。 ブースでは,目に見えない電波はどんなものなのか、3Dを使ったアニメーションでわかりやすく説明します。
■ 電波の送信と受信 電波の送信と受信電波は空間を伝わる波です。電波を作るのが送信機で、それを空間に発射するのが送信アンテナです。受信側では受信アンテナで空間にある電波を拾い出し、受信機で増幅して利用します。空間にはいろいろな電波が飛びかっていますが、この中から特定の電波を拾い出すために、周波数を合わせます。送信側と受信側が、同じ周波数に合わせることで、ほかの電波と混信せずに通信できます。
■ 電波の性質 電波は空間を伝わる波ですが、障害物があるとどうなるのでしょうか。たとえば木の板では、電波の大部分が透過します。 それに対して、金属の板では電波は透過できず、反射してしまいます。つまり金属の板の向こう側には届きません。 このように電波は、途中にある障害物によって、透過したり反射する性質があります。この性質を応用すれば、途中にある障害物がどんなものか推定できます。 ブースでは,電波の送信と受信を体験する実験装置で,電波が木の板を通過し、金属の板では反射する性質を確かめることができます。
■ 電波と光の地図「電磁波スペクトル」 沖縄電磁波技術センターでは、電波を使って地球の大気や海の動きを調べています。では、そもそも電波とはどんなものなのでしょうか? ここではビデオや実験装置を使って、電波についての基礎知識を紹介します。背景となる大きなウォールは「電磁波スペクトル」と呼ぶもので、電波と光の名前や使い方をまとめた一種の地図です。
電磁波の単位と電磁波スペクトル 波である電磁波の単位は「周波数」と「波長」です。1秒間に波の山が何回くるか、つまり1秒間に振動する回数を周波数と呼び、単位はヘルツ(Hz)です。また山と山の距離を波長と呼び、単位は普通メートル(m)を使っています。 波長と周波数は反比例の関係にあり、波長と周波数をかけると、波の速度になります。電磁波の速度は1秒間に30万キロメール(km)で、たとえば波長3メートル(テレビの第2チャンネル)の周波数は。100,000,000ヘルツ(1億ヘルツ)になります。 周波数ごとの電磁波の呼び方と主な使い方をまとめたのが、このウォール(壁面)にある電磁波スペクトルです。
■ 身近な電波 私たちは毎日、電波を使って生活しています。テレビでニュースを見たり、ラジオで音楽を聞いたり、携帯電話で友人と話をする、これらはすべて電波によってできることです。電波により離れた場所へも、動いている人へも情報が伝わります。 また電波を利用すると、離れた場所にある物体を調べることができます。電波を使ったレーダにより、雲の中の状態を調べたり、潮の流れを知ることも可能です。沖縄電磁波技術センターでは、電波を使って大気と海洋を調べる技術を研究開発しています。
このブースでは,電波の利用例を、実際のサンプルと写真を使って紹介します。電波の使い方には、大きく分けて携帯電話やテレビなどの「通信」と、離れた場所から観測する「リモートセンシング」の2種類があります。